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『「究極の普通」という美学』
〜Vitra製 ジャスパー・モリソン「HAL」。再生素材とオークが紡ぐ、スーパーノーマル〜
奇をてらうことなく、ただそこにあることの美しさ。
無印良品のプロダクトにも深く携わり、「スーパーノーマル」という哲学を提唱する Jasper Morrison(ジャスパー・モリソン)。スイスの名門 Vitra(ヴィトラ) 社から発表された「HAL(ハル)」チェアは、彼の思想を最も純粋な形で具現化した、現代のマスターピースである。
■ イームズのシェルチェアを再解釈した造形
ミッドセンチュリー期にチャールズ&レイ・イームズ夫妻が確立した「一体成型プラスチックチェア」という概念。ジャスパーはこれを現代の視点で再解釈し、このHALチェアを生み出した。
過度な主張を排したシームレスな座面は、無意識のうちに身体に馴染み、着座時の姿勢を自由にする。
「特別なものではなく、実直な日常の道具であること」。名作の系譜を受け継ぎながら、機能主義を極限まで洗練させた普遍的な用の美がここにある。
■ 欧州基準の再生素材と、オークの静かな対比
座面のシェルには、環境負荷に配慮したヨーロッパ基準の再生プラスチック(再生ポリプロピレン)を採用。座面裏に刻印された「GSマーク(LGA)」は、ドイツの厳格な強度・安全基準をクリアした堅牢さの証だ。
そして、それを支える脚部には、力強い木目を持つ「オーク材」をセレクト。
光沢を抑えたマットなダークブラウンの樹脂と、天然木という相反するマテリアルが、空間に知的なコントラストをもたらしている。
■ 日常の道具として育てるアートピース
座面裏の刻印が示す、2013年6月の製造。
シェル表面や裏面に見受けられる微細なスクラッチ傷は、この椅子が誰かの日常を支えてきた歴史の痕跡である。
アンティークと呼ぶにはまだまだ若いが、現代のアートピースとしての価値を確かに纏い始めた「ビンテージ」。
過度な神格化を避け、確かな安全性に裏打ちされた生活の道具として空間に迎え入れたい。
【ダイニングで、静かな朝を整える】
休日の朝、テーブルにこの椅子を引き寄せる。
洗いざらしのリネンのシャツに身を包み、淹れたてのコーヒーとペーパーバックを広げる。
身体の動きに追従するシェルのしなりを感じながら、ゆっくりと時間を愉しむ。
名作を飾るのではなく、「究極の普通」を日常の道具として使い倒す。
その潔い選択が、あなたの暮らしに確かな充足感と、洗練された余白をもたらしてくれるはずだ。
■2013年6月に製造
■生産国
EEC(欧州経済共同体)
■デザイナー
Jasper Morrison
■メーカー
Vitra(ヴィトラ)
■サイズ 幅475x奥行510x高さ795x座面高435(mm)
■素材 シート:プラスチック製(再生ポリプロピレン使用) 脚:オーク
■仕様
・実際に使用されていた商品の為、小傷・小ダコン等はご理解ください。
・脚裏の黒のプラスチックフェルトは破損していたため、取り外しております。
■メンテナンス:済み
■完成品