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『奥行235mmの建築的思考』
〜視覚的ノイズを消し去る、隠されたワイヤーと額装の美学〜
収納家具における「美」とは何か。それは、飾るものを主役にするために、自らの存在感を極限まで消し去ることかもしれない。
デンマークから届いたミドルシェルフ。
奥行きわずか235mmという極薄のプロポーションには、北欧モダニズムの機能主義が静かに、しかし力強く息づいている。
■金具の消失と、収納の最大化
このシェルフの最大の特異点は、棚板を支えるシステムにある。
側板の穴に差し込まれた「ワイヤー状のバー」が、棚板の溝に吸い込まれるように収まる構造。
下から覗き込んでも金具は一切見えず、棚受けの突起さえも存在しない。
この「見えない支持体」により、視覚的なノイズは完全に排除される。同時に、棚板の端まで本やオブジェを隙間なく配置できるという、物理的なメリットも享受できるのだ。
32mmピッチで29段階という驚異的な調整幅は、あらゆるサイズの蔵書を知的に受け止める。
■ 対象物を「額装」するエッジ
本体の四方を囲む前板と、棚板の木口(断面)に施されたディテールに注目したい。
直角ではなく、内側に向かって鋭角に削り込まれた「テーパー(傾斜)」処理。
このわずかな角度が光と影を操り、まるで絵画の額縁のように、収納されたオブジェクトへと視線を誘導する。
単なる箱ではなく、飾るものをより美しく魅せるための「装置」として設計されている証左である。
■棚板奥行き215mmが導く、都市生活の解
アートブックや雑誌が、誂えたように美しく収まる深度。
このスリムな躯体は、廊下やリビングの動線を侵すことなく、壁面を知的なライブラリーへと変貌させる。
主材には経年により深みを増したチーク材を、背板にはあえて素朴なマツ系の材を用いることでのバランスを図っている点も興味深い。
【暮らしに寄り添う】
金具の存在しない、木と本だけの静謐な景色。
機能美とは、装飾を足すことではなく、ノイズを削ぎ落とした先に現れるものだと教えてくれる。
このシェルフは、あなたの愛用品を美しく編集し、眺める時間を愉しむための、最も洗練されたフレームとなるはずだ。
≪メンテナンス:済≫
サンディングを行い、オイル塗装にて仕上げました。
■購入国
デンマーク
■サイズ 幅1000x奥行235x高さ1165(mm)
■詳細サイズ
〇オープンスペース:幅960x奥行215x高さ1057(mm)
〇棚板:幅960x奥行215(mm)
※各棚板32mmピッチ、29段階で高さ調整可能。
■素材 チーク
■程度 実際に使用されていた商品の為、擦り傷・打痕等はご理解のほどよろしくお願いいたします。
■メンテナンス:済(オイル塗装にて)
■完成品