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『空間に溶ける、チークの遠近法』
〜Johannes Sorthが遺した、蛇腹とシェルフの美しい解〜
ただの収納家具と呼ぶには、あまりに建築的。
デンマークの『Bornholms Nexø Møbelfabrik』社より世に送り出された、デザイナー『Johannes Sorth(ヨハネス・ソース)』の代表作。
高さ182cmの巨体でありながら、まるで重力を感じさせない佇まい。
機能と美、そして「余白」さえもデザインに取り込んだこの名作は、北欧ビンテージを愛する人々が最後に辿り着く、一つの到達点といえよう。
〜視線を操る、計算された「軽さ」〜
圧迫感を消し去るための、緻密な設計には驚かされます。
上段に向かうにつれて奥行きが浅くなるステップ状の構成。さらに、棚板の木口(断面)には鋭角なエッジ加工が施され、チークの厚みを感じさせないほどシャープなラインを描いています。
このわずかな傾斜とエッジが、光と影のグラデーションを生み、飾るオブジェを美しく浮かび上がらせる。それは家具というより、壁面に設えられた美しい「舞台装置」のよう。
〜静寂を閉じ込める、蛇腹の機能美〜
この家具の顔とも言えるのが、中央の「蛇腹(タンブール)扉」。
細く切り出した無垢材を、有機的に連結させた精巧な作り。指一本で滑らかにスライドし、本体の奥へと吸い込まれていく様は、当時の職人技術の結晶と言えるでしょう。
乱雑になりがちな日用品や書きかけの手紙を、美しい木のカーテンで隠す。
生活のノイズを瞬時に消し去り、空間に静謐な秩序を取り戻してくれます。
〜暮らしのすべてを受け止める、1台3役〜
中央の天板を引き出せば、思考を整理するためのデスクに。
上部のシェルフと下部の扉内は、収納物に合わせて高さを変えられる可動棚仕様。
見せる収納(シェルフ)、隠す収納(キャビネット)、そして書斎(デスク)。
現代の暮らしに必要な要素を、わずか1メートルの幅に凝縮したこの一台は、コンパクトな部屋においてこそ、その真価を発揮する「暮らしのコックピット」です。
〜暮らしに溶け込む〜
夜、部屋の照明を落とし、キャビネットの陰影を眺めながらレコードに針を落とす。
経年変化したチークの深い飴色が、間接照明の光を吸い込んで、とろりとした風合いを放ち始める。ヨハネス・ソースの傑作と暮らすこと。
それは、日々の何気ない景色の中に、美術館のような静けさと美意識を持つことと同義なのかもしれません。
【メンテナンス:前】
ご注文後にサンディングを行い、オイル塗装にて仕上げます。
■生産国
デンマーク
■デザイナー
Johannes-Sorth
■メーカー
Bornholms-NEXO-Mobelfabrik
■サイズ 幅1000 x 奥行430 x高さ1820(mm)
■サイズ詳細
【上部】
〇スペース内寸:幅960x奥行240x高さ820(mm)
・1段目棚板:幅960x奥行215(mm)
・2段目棚板:幅960x奥行225(mm)
※各棚板は25mmピッチ3段階高さ調整可能
〇蛇腹扉内
・右レタースペース(共通):幅52x奥行170x高さ202(mm)
・中央スペース内寸:幅290x奥行170x高さ202(mm)
※棚板は23mmピッチ3段階高さ調整可能
・左小引出(共通):幅195x奥行150x高さ50(mm)
〇スライド天板:幅960x奥行195→370x床より高さ720(mm)
【下部】
〇扉内スペース:幅960x奥行365x高さ400(mm)
〇段目棚板:幅960x奥行365(mm)
※32mmピッチ、3段階で高さ調整可能。
■素材 チーク
■程度 実際に使用されていた商品の為、擦り傷・打痕等ございます。
■完成品
■メンテナンス:前(オイル塗装)