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『 静寂を纏う、最小単位の建築』
〜Kai Kristiansenが描く、有機的なラインとチークの余白〜
本来、それは三位一体の「ネストテーブル」としてデザインされたものでした。
しかし、長い時の流れの中で、最も小さなこの一台だけが独立し、海を越えて辿り着きました。
群れから離れ、単独の「個」となった今、その姿は家具というよりも、床に置かれた一つの彫刻作品のよう。デンマークの名匠 Kai Kristiansen(カイ・クリスチャンセン) による、研ぎ澄まされた美意識が、幅460mmという小さな世界に凝縮されています。
〜空間にリズムを生む、有機的な曲線〜
このテーブルの白眉は、脚部から天板へと繋がる接合部のディテール。直線を拒むかのように削り出された、滑らかで有機的なアーチ。その繊細なラインは、空間に心地よい緊張感と、流れるようなリズムをもたらします。ただそこに置くだけで、周囲の空気感を変えてしまう。それは、優れたアートピースだけが持つ静かな力です。
〜39.5cmの高さが作る、余白の美〜
高さ395mmという、低く構えたプロポーション。
一般的なサイドテーブルよりも重心が低いため、床座の生活や、ラウンジチェアの傍らで視界を遮ることなく、美しい「余白」を作り出します。天板の縁はわずかに立ち上がり、柔らかな陰影を落とす。
小さな盤面は、飾るオブジェや花器を受け止めるための、最も洗練されたステージと言えるでしょう。
〜真正なる証〜
天板の裏側には、Vildbjerg Møbelfabrik 社のイニシャル「VM」と、デンマーク家具品質管理委員会(Danish Control)の焼印が鮮明に残っています。小さいながらも、当時の厳格な品質基準をクリアし、誇りを持って作られた真正なる北欧ビンテージの証です。
経年により深みを増したチークの飴色が、その歴史を静かに物語っています。
〜暮らしに寄り添う〜
朝の光が射す窓辺に、このテーブルを置いてみる。
その上に、白磁の花器を一輪、静かに添えて。
コーヒーカップを置く道具としてだけでなく、愛するものを飾るための台座として。
小さくとも凛としたその佇まいが、あなたの日常に「美を愛でる」という豊かな時間を運んでくれるはずです。
≪メンテナンス:済み≫
木部はサンディングを行い、オイル塗装にて仕上げました。
■生産国
デンマーク
■デザイナー
Kai Kristiansen
■メーカー
Vildbjerg Møbelfabrik
■サイズ 幅460x奥行315x高さ395(mm)
■素材 チーク
■程度 デンマーク国内にて実際に使用されていた商品の為、擦り傷・打痕等ございます。
■メンテナンス:済み(オイル塗装)
■完成品