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『浮遊する座面、実直な有機的フォルム』
〜Erik Buch "Model 49"。チークの曲線とアイボリーが紡ぐ、現代の用の美〜
奇をてらわず、ただ座る人のために形を削り出す。
デンマークのデザイナー、Erik Buch(エリック・バック) の家具には、極めて人間工学的で実直なクラフトマンシップが息づいている。
彼が手掛けた代表作「Model 49」は、無駄を削ぎ落とした先に現れる「用の美」を純粋に体現した一脚である。
■ 重力を切り離す、フローティング構造
この椅子の造形的な白眉は、座面の配置にある。
側面から見ると、座面クッションが木製フレームからわずかに浮き上がっているように設計された「フローティング(浮遊)構造」。
重厚になりがちな無垢材の椅子において、この数センチの隙間が視覚的な抜け感を生み、空間に軽やかなリズムをもたらす。計算された構造美が、日常の風景を静かに整えてくれる。
■ 身体に沿う曲線と、木栓のディテール
エリック・バックの真骨頂は、オーガニックな曲線美にある。
緩やかな弧を描く背もたれは、背中を面で柔らかく受け止め、長時間の着座でもストレスを感じさせない。
また、フレームと背もたれを繋ぐ接合部には、あえて丸い木栓(ダボ)を見せる意匠を採用。構造をそのまま装飾へと昇華させた美しいディテールと、滑らかに削り出されたチークの木肌に、北欧モダニズムの哲学が宿っている。
■ 日常に寄り添う、清潔なアイボリー
フレームは経年によりとろりとした飴色に育ったチーク材。その美しさを引き立てるため、座面と背もたれは内部のウレタンを新調し、リバコ社の「NCシリーズ(アイボリー)」で張り替えた。
プレーンで飾らないテクスチャは、ビンテージの深みと新品の清潔感を同居させ、日本の住空間にもノイズなく自然と溶け込む。
【ダイニングで、静かな朝を整える】
休日の朝、リネンのクロスを敷いたテーブルにこの椅子を引き寄せる。
淹れたてのコーヒーの香りに包まれながら、読みかけのペーパーバックを開く。
背中を預けると、計算された曲線が身体に吸い付くように馴染み、ゆっくりと時間を愉しむことができる。
名作をただ飾るのではなく、毎日の生活を支える良質な道具として使い倒す。
その潔い選択が、あなたの暮らしに確かな充足感と、洗練された余白をもたらしてくれるはずだ。
■メンテナンス:済み
古い塗装を除去後にサンディングを行い、オイル塗装にて仕上げました。
背・座に関して、新しいウレタンに交換し、ファブリックで張替えを行っております。
■生産国
デンマーク
■デザイナー
Erik Buch
■メーカー
O.D.Mobler
■サイズ 幅480x奥行500x高さ800x座面高440(mm)
■素材 チーク
■程度 実際に使用されていた商品の為、擦り傷・打痕等ございます。
■完成品
■メンテナンス:済み(オイル塗装)
■張替え・ウレタン交換:済み(リバコ社:NCシリーズ/ウール30%、アクリル70%)