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真に美しい家具は、空間に静けさをもたらすと同時に、細部に宿る手仕事の痕跡で使い手の心を捉えるもの。デンマークから届いたこのオープンシェルフは、デザイナーやメーカーの特定には至っていない「アノニマス(無名)」なプロダクト。しかし、巨匠の名前やブランドという記号に頼らずとも、その極めてストイックな直方体の佇まいと細部の造り込みが、北欧家具の黄金期を支えた誠実なものづくりを雄弁に物語っています。
視線を奪うのは、本体の枠組みや各棚板の前面(木口)に施された精緻なディテール。板の断面をただ平坦に切り落とすのではなく、わずかに角度をつけた「逆V字」に削り出されています。この数ミリの傾斜が光と影の境界線を鮮明にし、チーク材の重厚なボディにシャープさと洗練を与えているのです。さらに、経年で深みを増したチークの躯体を、明るく堅牢なオーク材の丸脚が軽やかに持ち上げる。異なるマテリアルの対比が、空間に心地よい緊張感と抜け感を生み出しています。
このストイックな美意識は、日々の実用性にも直結しています。収納部を区切る棚板は、30mmという非常に細やかなピッチで高さの調整が可能。大型のアートブックから小ぶりなオブジェまで、対象物のスケールに合わせて的確に空間を切り取ることができます。蔵書を収める書架としての実力はもちろんですが、この端正なフレームを「額装」に見立て、あえて余白を残すように陶磁器やガラスベースを配置する。そんなディスプレイを主軸とした使い方も、このシェルフの知的なプロポーションをより際立たせるでしょう。
さらに、最後の写真でご覧いただけるように、仕切り違いで作られた同シリーズのシェルフを並列させることで、その魅力は拡張されます。規格化されたモジュールが壁面に美しい水平線を構築し、それでいて圧迫感を与えないのは、削ぎ落とされた機能美の賜物です。
【週末の午後、壁際の余白を編集する】
静寂に包まれた休日の午後。チークの美しい額縁の中に、お気に入りの洋書や季節の枝物を、空間の余白を意識しながら配置していく。名前の有無を超えて、目の前にある「美」を愛で、日常の景色を自らの手で編集する。この実直で美しいシェルフが、あなたの住空間に知的な規律と、洗練された豊かさをもたらしてくれるはずです。
≪メンテナンス:済み≫
古い塗膜を除去後にサンディングを行い、オイル塗装にて仕上げました。
■生産国
デンマーク
■サイズ 幅1000x奥行300x高さ1400(mm)
■詳細サイズ
〇オープンスペース:幅305x奥行270x高さ1110(mm)
〇:幅305x奥行250(mm)
※棚板は、50mmピッチ、15段階で高さ調整可能
■素材 本体:チーク 脚:オーク
■仕様 実際に使用されていた商品の為、小傷・小ダコン等はご理解ください。
■完成品
■メンテナンス:済み(オイル塗装)