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『フリッツ・ハンセン セブンチェア(チーク / ビンテージ)
曲線が描く、座り心地の原風景。半世紀の時を繋ぐ、チーク材の「刻印」と「呼吸」。
■背景と意匠:アルネ・ヤコブセンが到達した、ミッドセンチュリーの象徴
1955年、建築家Arne Jacobsen/アルネ・ヤコブセンによってデザインされた「セブンチェア(Model 3107)」。北欧デザインを象徴するこの椅子は、それまでの木製椅子の概念を覆す、彫刻的でしなやかな曲線美を成型合板によって実現しました。本個体は、裏面のメタルキャップや木部に直接施されたロゴ刻印から、推定1960年代に製造されたものと見受けられます。半世紀を超える歳月を経て、チーク材が蓄えた深い飴色の輝きは、現行品では決して辿り着けない、ビンテージだけが持つ真実の美しさです。
■ディテールと経年:直接刻印が語る、手仕事の時代の記憶
この椅子の格を物語るのは、座面裏に静かに刻まれた「MADE BY (FH) DENMARK」のプレスロゴです。後年のステッカー仕様とは異なり、木肌に直接刻み込まれたこの印字は、当時のフリッツ・ハンセン社の誇りと、素材への自信を象徴しています。
また、現在の日本の住まいにこの椅子を迎え入れる大きな利点は、その「調和力」にあります。深い色のチーク材は、お手持ちの古い木製家具とはもちろん、現代のシンプルなオーク材の空間においても、点と点を繋ぐ架け橋として機能し、空間に知的な奥行きを与えてくれます。「完璧ではないが、美しい」。木肌に刻まれた微細な痕跡は、誰かの日常を支えてきた誠実な時間の記録です。
■機能と解像度:身体に沿うしなりが、暮らしに「余白」を創る
セブンチェアが世界中で愛され続ける最大の理由は、その驚異的な「しなり」による座り心地にあります。成型合板による三次元のカーブが腰を優しく包み込み、長時間の語らいやデスクワークにおいても、身体への負担を軽やかに逃がしてくれます。
幅約50cmというコンパクトな設計ながら、一脚置くだけで部屋の空気が凪のように落ち着くのは、計算し尽くされたプロポーションのなせる技。ダイニングを彩る主役としてはもちろん、寝室の片隅に「居場所」として置く。そんな日常の解像度を高める使い勝手こそ、スタンダードの名に相応しい実用性です。
■この道具がある風景:朝の光と、自分に還るヒュッゲな時間
週末の朝、窓から差し込む柔らかな光が、チークの滑らかな稜線を瑞々しく照らす。淹れたてのコーヒーを片手に、この椅子に身を預ける。ただそれだけで、心が静かに整い、豊かな「ヒュッゲ(Hygge)」な時間が流れます。
時を重ねるごとに愛着が増し、傷さえも家族の物語として馴染んでいく。当店からお届けするこの一台は、単なる家具としての役目を超え、あなたの暮らしに静かな凪をもたらし、これから先の数十年を共に歩む大切なパートナーとなるでしょう。
【メンテナンス前】
木部:オイル塗装にて仕上げ予定です。
脚キャップのみ割れておりましたので、現行のキャップに交換済みです。
■生産国
デンマーク
■デザイナー
Arne Jacobsen
■メーカー
Fritz Hansen
■サイズ 幅500x 奥行520 x高さ780x座面高405 (mm)
■素材 チーク
■程度 実際に使用されていた商品の為、擦り傷・打痕等ございます。
■完成品
■メンテナンス:前(オイル塗装)