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デンマーク ビンテージ PH5 ペンダントランプ(Louis Poulsen / Poul Henningsen)
『光の彫刻を、日常に』
〜「管理」へ移ろう直前の、手仕事の残り香を纏って〜
北欧の暮らしに欠かせないもの、それは冬の長い夜を温かく照らす「灯り」です。数ある名作照明の中でも、もはや説明を必要としないほどの存在感を放つのが、この「PH5」。1958年に発表されて以来、デンマークの家庭で最も愛され続けてきたこのランプは、ただ部屋を明るくするだけの道具ではありません。それは、光をいかに美しく制御し、人の心に「凪」をもたらすかという問いに対する、ひとつの完璧な答え。はるばるデンマークから当店に届いたこの一台は、現代のプロダクトにはない熟成された空気感を纏い、静かに主人の訪れを待っています。
このランプを語る上で欠かせないのが、光の魔術師と呼ばれたデザイナー「ポール・ヘニングセン」の存在です。彼は生涯を通じて「グレア(眩しさ)」をいかに排除し、目に優しい光を作るかに心血を注ぎました。PH5という名は、メインシェードの直径が約50cmであることに由来しますが、その真髄は5枚のシェードが織りなす緻密な設計にあります。ヘニングセンは、光のスペクトルまでも計算に入れ、シェードの内側に赤と青の彩色を施しました。それによって、当時の電球が持つ黄味や青みを補正し、夕暮れ時のような、あるいは温かな暖炉の火のような、最も心地よい光の質へと変換させたのです。この知的な編集視点こそが、PH5を単なる照明から「光の彫刻」へと昇華させた理由に他なりません。
内部のラベルに記された「Type 217035」と、手押しスタンプによる「88-03」の刻印。この小さな銀色のラベルは、デザインの歴史における重要な転換期を物語っています。1990年代に入ると、製造管理はバーコードによる効率的な「ロジスティクス」へと移行しますが、1988年製のこの個体は、まだその直前。職人が一台一脚の状態を見つめ、管理用スタンプを手で押していた「クラフトマンシップ」の時代が残していた、最後の残り香とも言える時期のものです。大量生産による均一化が進む前の、どこか人の体温を感じさせるアナログな製造背景。その誠実な時代性が、35年以上の時を経た今、ビンテージとしての確かな深みとなって表れています。
当店からお届けするこの一台は、日本の住環境で安心してお使いいただけるよう、国内のPSE基準に合わせたメンテナンスを施しています。ビンテージとしての情緒を損なわないよう、ソケットは貴重な当時のオリジナルをあえて残し、コードと引掛けシーリングは日本製の新しいものに交換済みです。古いものを慈しむ精神と、現代の安全性がひとつになった健やかな一台。長い年月を旅してきた証として、アルミのシェードには僅かな擦れが見受けられるかもしれませんが、それこそが「完璧ではないからこその美しさ」。かつて北欧の家庭で愛されたこの光が、今度はあなたの家で、大切な誰かと過ごす「ヒュッゲ(心地よい時間)」を静かに、そして深く照らし始めます。
「光が編み出す、日々の機微を愛でる喜び」
夕暮れ時、少しずつ暗くなる部屋で、最初の一灯を灯す。
幾重にも重なるシェードが描く光のグラデーションを眺めながら、ゆっくりと一日の出来事を振り返る。
そこにあるのは、効率や明るさだけでは測れない、自分自身の呼吸を整えてくれる場所。
このPH5という名の光は、あなたの暮らしの背景を美しく塗り替え、何気ない夜の時間を、二度とない特別な情景へと変えてくれるはずです。
【メンテナンスについて】
■ ソケットはオリジナル。E26の電球をご使用頂けます。
ソケットは樹脂製のもののため、電球は熱量の少ないLED電球をおすすめします。
※電球は付属しませんのでご注意下さい。
※PSE(電気用品安全法)のもと、検査を行い販売しております。
■生産国
デンマーク
■デザイナー
Poul Henningsen
■メーカー
Louis Poulsen/ルイス・ポールセン
■サイズ
・直径:約495 (mm)
・高さ:約250(mm)
・全長:800(mm)
接続:引っ掛けシーリング・コード吊り
・重さ:約1.65kg
・電球:E26x1
※電球は付属しませんのでご注意下さい。
■程度 実際に使用されていた商品の為、擦り傷等ございます。
※電球の取り付けは、上部のカバーを回転することで、取り外し可能となります(写真参照)